手造りの聖地巡礼

さらに、五島灘を間において向かい合う西彼杵半島の外海(そとめ)地方にも足を伸ばします。遠藤周作の「沈黙」の舞台です。

かつて大村藩の領地であった外海地方から、キリシタンたちは僻地である五島、平戸島へ、逃げ渡ったのです。明治には、外海にパリ外国人宣教会のド・ロ神父が住みつきました。このルネサンス的天才は近代の農業技術ばかりか、医学、薬草学、建築学、音楽をもたらして村人を導きました。

外海の出津は今やド・ロ神父の故郷と姉妹村で、フランス語教室で子ども達が学んでいます。文化果つる地が、恵みの理想郷に変貌したのです。

島から島へ、浦から浦へ東シナ海から吹き渡る秋風の何と爽やかなことか。訪ねゆく信仰の現場で、神父様司式のごミサが日々備えられていることで、この旅にたましいが込められます。

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